「水は基本的人権」パリ市の水飲み場設置と水道水飲用推進
更新日 2018.7.11日
パリ市の水道事業は、2010年に民営から再公営化されて、パリ市水道公社(Eau de Paris)が運営していますが、水道水の飲用推進は、長期的に継続されています。
パリ市では、2006年から市庁舎内で、2012年からはすべての行政機関で、ペットボトル入り飲料水の提供を廃止しています。2005年には、著名なデザイナーと協力してパリ市オリジナル水差しを制作し、レストランや市民に提供しました。現在では、市内のどのレストランでも水差しに水道水を入れて提供することが定着しています。
パリ市で最も目立つ取り組みが水飲み場の設置で、現在、市内に約1,200か所以上の水飲み場が設置されています。観光客が多いセーヌ河畔や市庁舎前広場をはじめ、市内にくまなく様々なタイプの水飲み場が設置されています。2010年からは炭酸水の水飲み場も設置されています。どこにどのようなタイプの水飲み場があるのかは、パリ市水道公社のウェブサイトのマップで確認することができます。
これらの水飲み場の設置は、市民の要請に応じた参加型予算で行われており、2018年には40か所に新設されます。これらの水飲み場を設置は、市民、観光客はもちろん、特に生活困窮者にも安全で質の高い飲料水を提供することを目的としています。水へのアクセスは基本的人権であるという考えに基づく取り組みが、環境負荷の低減にも貢献しているのです。